「個別浄化槽」 単独浄化槽と合併浄化槽について
本コラムをご覧いただき有難うございます!
本日は「個別浄化槽」の中でも単独浄化槽と合併浄化槽についてご説明させて頂きます!
前回のコラムでは集中浄化槽と個別浄化槽についてのご説明をさせて頂きました!
今回のコラムでは、「個別浄化槽」に焦点を当て、さらに詳しくご説明させて頂きます!
1.単独浄化槽とは
前回のコラムでもご説明した通り、個別浄化槽は一般的に各家庭に1つずつ設置される浄化槽になります。
その中でも、単独浄化槽は処理する対象が「トイレの排水」のみとなります。
つまり台所やお風呂などの生活排水は処理されずそのまま放流しています。
そのため、河川や地下水の汚染につながる可能性があるというデメリットから2001年より新規の設置が禁止されました!
そのため、今後新築を建てる方は単独浄化槽の設置は原則としてできません!
ただし、弊社でお取引させて頂く物件の中には今でも単独浄化槽を利用している物件はかなり多く存在します。
そのような物件を購入する際は必ず付け替えないといけないかというと、そうではありません!
既存で設置されている単独浄化槽はそのまま利用することが可能です。
また、合併浄化槽に比べ管理が楽であるというメリットもあるため、一概に単独浄化槽だから、、、と判断するのは早いかもしれません!
2.合併浄化槽とは
続いて、合併浄化槽のご説明をさせて頂きます!
2001年から下水道の埋設がないエリアでは、新築時にはこの合併浄化槽の設置が原則義務付けられていますので是非しっかりとご確認ください!
合併浄化槽は単独浄化槽と違い、「トイレの排水」だけではなく「お風呂や台所などの生活排水」なども一括して処理する浄化槽になります。
そのため、環境への負荷が少なく、環境保全に優れているため現在、下水道整備区域外の地域では主流となっています。
ただし、すべての生活排水を処理するため複雑な仕組みとなっており、定期的な保守点検や清掃が必要となり、また設置費用も高めとなっております。
3.設置の費用に関して
現在、下水道整備区域外に建築を予定されている方は必ず合併浄化槽の設置が義務付けられています。
ここで目安とはなりますが、設置費用をご説明させて頂きます。
ざっくりとした金額ではありますが、一般家庭サイズの浄化槽を設置する場合の費用は80万円~120万円程度といわれております。
内訳としては
1.本体価格:30万円~100万円(サイズ等によって異なります。)
2. 設置工事費:20万円~100万円(工事業者によって異なります。)
3.追加費用:状況に応じて変動
ざっくりとこのような費用がかかります。
地盤の改良や電気の配線工事が必要な場合には追加費用がかかり高額になるケースもあるためしっかりとした検討が必要です!
4.合併浄化槽設置の助成金について
このように、浄化槽の設置には高額な費用がかかるため、多くの自治体では助成金を設けています。
ここでは一例として埼玉県熊谷市の助成金制度を見ていきましょう。
以下は熊谷市役所HPより引用しております。
補助の要件
「単独処理浄化槽」または「くみ取り便槽」を廃止し、10人槽以下の「合併処理浄化槽」に入れ替える場合で、次の1から3の要件を満たす場合
1.使用している単独処理浄化槽またはくみ取り便槽を原則撤去し、合併処理浄化槽を設置する。
2.自己の居住の用に供する住宅へ設置する浄化槽である。
3.住宅は、居住の用に供する面積が延べ床面積の2分の1以上である。
次の場合は、補助対象外です。
- 市税(国民健康保険税含む。)を滞納している場合
- 新築または建替えなど、建築確認を伴って浄化槽を設置する場合
- 浄化槽設置工事着工済みまたは設置済みの場合
- 浄化槽の設置届出を提出せずに浄化槽を設置した場合
- 販売または賃貸を目的としている場合
- 住宅などを借りている人で、賃貸人の承諾が得られない場合
このように熊谷市では「単独浄化槽→合併浄化槽」に変更する際に助成金を出しています。
新築を建てる時には助成金が使えないという部分もしっかりとチェックが必要です!
助成金の額について
熊谷市では上図のように562,000円~778,000円の助成金額を最大で受け取ることができます!
設置にかかる費用が80万円~120万円だとしたらかなり大きな助成金ですね…
浄化槽の設置をお考えの方はぜひご自身の自治体の助成金制度を調べてみてください!
5.まとめ
前回、今回と2回に分けて浄化槽についてご説明させて頂きましたがいかがでしたか?
皆様の身近にも浄化槽を使っている不動産は多くあり、不動産の購入の際に役立つ情報かもしれません!
下水道が埋設されている地域に住めばいいと思っても、意外にも埋設が進んでいない区域は多いため、知っておいて損はないと思います!
浄化槽は適切なメンテナンスが必要であり、不適切な運用を行うと環境に影響を与える可能性があります。
また、サイズなどによっては費用が大きく変わりますので皆様の自宅に合ったサイズを選ぶことも大切です!