不動産コラム

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再建築不可物件を再建築可能に!【敷地設定とは?】

本コラムをご覧頂き有難うございます!

本日のテーマは敷地設定についてになります。

再建築不可物件については2024年2月2日公開の第1回のコラム「再建築不可の物件とは??」でご説明させて頂きました!

今回はその「再建築不可物件」を再建築可能にする敷地設定についてご説明させて頂きます。

以前ご説明した通り、再建築不可物件は価値が落ちてしまうという大きなデメリットがあります。

このデメリットを解消できる可能性が敷地設定にはありますので是非お困りの方も、再建築不可物件の購入をお考えの方も拝読頂けましたら幸いです!

 

1.敷地設定とは

再建築不可物件を再建築可能にできる「敷地設定」ですが、あまり聴き馴染みのない用語ですよね?

まずは敷地設定とはどういったものなのかをご説明させて頂きます。

敷地設定とは、建て替えのために他人の土地を自分の敷地の一部として建築確認申請を行うことになります

自分の土地では無いのにそんなことできるの?とお思いかと思いますが、実は建築基準法では自身の所有している土地でしか建築することはできないという定めはありません

ですので、実際に他人の土地を利用して建築確認を取得し、再建築可能な状況にすることができます。

これを敷地設定と呼びます。

2.敷地設定のメリット・デメリット

再建築不可を建築可能に」これだけで敷地設定はメリットがあるというのはお分かりいただけたと思います。

しかし、反対にデメリットもあることを忘れてはいけません。

もちろんメリットとデメリットを踏まえたうえで、敷地設定を行うことは不動産の資産価値を上昇させることができるためしっかりとメリット・デメリットを把握したうえで行いましょう。

敷地設定のメリット

・費用負担が少なく済む

再建築不可物件を建築可能にする方法の一つに隣地を購入または賃貸(借地)することがあります。やはり、購入や賃貸を行うとなると費用負担が大きくなり、交渉の難易度も高いため中々難しいという実情もあります。
隣地を購入や賃貸することに比べ、敷地設定は大きな費用を要しません。敷地設定により費用を抑えることができるため、経済的なメリットがあります。

敷地設定のデメリット

・隣地所有者とのトラブルの可能性がある

隣地の所有者の同意なしで勝手に敷地設定を進めると、トラブルが生じる可能性があります。
建築確認申請自体は隣家の同意なしに可能ですが、工事開始後に法的な紛争に発展することがあります。
あくまでも隣地の方の土地を使用させて頂くわけですのでコミュニケーションが重要です。

・隣地所有者が変更した際にトラブルの可能性がある

敷地設定が現隣地所有者との間に成立しても、隣地所有者が変わった場合には新しい所有者が以前の合意が無効とされる可能性があります。このようなリスクに備えるためには、書面を以て「次の所有者になる第三者への承継の文言を入れる」等の対策を講じることが大切です。

 

3.敷地設定の注意点

敷地設定から受けられる恩恵は大きいですが、やはりデメリットも大きいものです。

皆様が敷地設定をしようとする中で注意するべき点も以下にまとめますので是非ご確認下さい。

・しっかりと所有者の同意を得る

敷地設定には隣地所有者からの同意が必須です。
隣地所有者としては土地を失うわけではありませんが、関係が希薄であったり、良好ではない場合にはお断りをされる可能性もあります。仮に、断られたうえで勝手に敷地設定をした場合には、【不動産侵奪罪】という犯罪に該当する可能性もありますので絶対にNGな行為です!

・書面で同意を明確にする

先ほどデメリットでもご説明した通り、所有者が変更した場合や関係が悪化した場合、口頭のみの同意では「そんな約束していない」といわれてしまうことも考えられます。
そのような事象を避けるためにも書面で同意の意思を明確にしておくことが重要なのです!

・自治体の決まりに注意を

敷地設定を行い建築確認申請を取得する場合には確自治体毎のルールの確認を行う必要があります。
独自のルールがある場合もありますので、そのルールを遵守しなければ建築確認は取得できません。ご注意ください!

 

4.敷地設定から建築確認申請を行う手順

1.敷地設定をしたい土地所有者から同意を得る
同意を得る際は契約書や同意書をしっかり作成しましょう

 

2.建築士や住宅メーカーに相談し、建築計画を立てる
各自治体のルールにも気を付けて計画を立てましょう

 

3.同意を得た土地を自身の土地として敷地設定を行い、図面を書き換える
道路に接する部分がしっかりと2mを超えるように敷地設定を行いましょう。

 

4.建築確認の申請書等の書類を提出する
敷地設定後の図面と一緒に、必要書類を自治体の窓口や指定された機関に提出しましょう。

 

5.建築確認を行ってもらう
提出した申請書に基づいて確認を行います。ここでは建築基準法やその他法令も見られますので法を遵守した計画が重要です。

 

6.確認済証が交付される
無事に建築確認をパスしたら、建築確認済証が発行されます。工事着手や住宅ローン、売却時にも必要な書類ですので大切に保管をしてください。

 

7.工事完了の後に、完了検査を受け、検査済証の交付を受ける
工事完了後には確認申請通りの施工されているかを確認する完了検査が行われます。完了検査で問題なければ検査済証が交付されます。

 

5.敷地設定以外の再建築方法

1.隣接地を購入・賃貸して接道義務を果たす

再建築可能にする方法として、先ほどもご説明した通り隣地の購入・賃貸という方法もあります。
近隣の方との交渉次第という不確定要素や金銭の負担が出てくるためケースバイケースですが、敷地設定の方が楽に再建築を行う事が出来ます。

2.43条但し書きの許可を得て建築する

43条但し書きについては以前のコラムでご説明させて頂いておりますのでそちらもご確認頂けましたら幸いです!
簡単にご説明させて頂くと、本来であれば建築基準法の接道義務を満たしていない物件も建築審査会の許可を得れば道路として認められ再建築ができるようになるという形です。
こちらの許可は建築審査会次第となりますので、許可が得れない場合には再建築ができません。

敷地設定以外の再建築を可能にする方法も見て頂きましたが、やはり敷地設定が「負担が少なく」、「より確実性を持った方法」であることはご理解頂けたかと思います!

 

6.まとめ

今回は「再建築不可物件を再建築可能に!」というテーマのもと敷地設定やその他の方法についてご説明させて頂きました!

なかなか、聴き馴染みのない用語化とは思いましたが、ご理解頂けましたでしょうか?

再建築不可物件を相続されてお困りの方や、実際に現在建て替えをお考えの方は是非ご参考にして頂けましたら幸いです。

また、今回のコラムの中では、「再建築不可物件」「43条但し書き」などの用語も出てきました。
以前のコラムでもご説明した内容ですので、より深く知りたいという方は是非ご確認頂けましたら幸いです!