本下水 合流式、分流式とは
今回も本コラムをご覧いただきありがとうございます!
今回のテーマは「本下水 合流式、分流式とは」についてです。
本下水の「合流式」と「分流式」の違いは、下水道システムが雨水と汚水(生活排水)をどのように処理するかに関するものです。
以下に、それぞれの特徴と違いを説明します。
合流式(ごうりゅうしき)とは
合流式下水道は、雨水と汚水(生活排水など)を同じ管に流すシステムです。
雨が降ると、雨水と汚水が一緒に流れて下水処理場に送られます。
特徴
• 雨水と汚水を同じ管で処理する。
• 大雨の際には処理能力を超えることがあり、その場合はオーバーフローとして、未処理の汚水が河川などに流出することがあります。
• 主に都市部で多く見られるが、現在は新規の建設では分流式が推奨されることが多い。
メリット
• システムが比較的簡単で、施工コストが安い。
デメリット
• 大雨の際に汚水が未処理で河川に流れ出す可能性があり、環境や水質への影響が大きい。
分流式(ぶんりゅうしき)とは
分流式下水道は、雨水と汚水を別々の管で処理するシステムです。
汚水用の管と雨水用の管を分けて、別々に処理します。
特徴
• 雨水と汚水が別々の管に流れるため、雨水が下水道に流れても汚水と一緒に処理されることはありません。
• 雨水は専用の管を通じて直接河川などに流れ、汚水は下水処理場で処理されます。
•メリット
• 大雨の際でも汚水が河川に流れ出ることはなく、汚水の処理が安定して行われる。
• 環境への負荷が少なく、浸水被害なども軽減される。
デメリット
• システムが複雑で、工事の際の費用が高くなる。
• 雨水の流れを受けるため、雨水用の管路が別途必要となり、スペースや土地の制約も影響する。
分流式下水道に変更する場合の課題
「汚水」と「雨水」を別々の管で分けて流すので、整備するためには多くの費用と長い年月が必要になります。
とくに都心部の道路は幅が狭いうえに、多くの設備が埋まっているため、新しく下水道管を整備することは物理的に困難です。
また、 宅地内に汚水と雨水それぞれの排水設備を設置するスペースの確保が難しい場合が多く、
お客さまの負担で実施しなくてはなりません。
まとめ
•合流式: 雨水と汚水を同じ管に流す方式。シンプルだが、大雨時に汚水が未処理で流出するリスクがある。
•分流式: 雨水と汚水を別々に処理する方式。大雨でも汚水が河川に流れないため、環境負荷が少なく、安定した処理が可能。
ただし、システムは高価で、設置にも手間がかかる。
現在では、環境保護や水質保全の観点から、分流式が推奨されることが多くなっていますが、
既存のインフラでは合流式の地域も多く、合流式の改善や適切な管理が重要な課題となっています。
不動産取引や、ご自宅をご購入する際など、確認しておくと良いかと思います。