本下水の処理の仕組み
本コラムをご覧いただき有難うございます!
今回のコラムは前回の続きとなります。
前回のコラム「本下水 合流式、分流式とは」をまだ見ていらっしゃらない方は是非併せてご覧いただけますと幸いです!
今回のコラムでは「本下水の処理の仕組み」のご説明させて頂きます。
本下水の処理の仕組み
本下水処理の仕組みは、都市部や地域で発生する汚水(家庭や工場から出る下水)を、環境に害を与えずに安全に処理し、
再利用可能な水として放流するプロセスです。基本的には以下のような段階を経て行われます。
予備処理(大型ごみと砂の除去)
予備処理では、まず大型ごみや砂などの物理的な不純物を効果的に除去することが重要です。
この初期段階での処理により、後続の工程がスムーズに進み、機器の故障や処理効率の低下を防ぐことができます。
具体的には、スクリーンやグリット除去装置を使用してごみや砂を捕捉します。
スクリーンは大型のごみや浮遊物を、グリット除去装置は水流を減速させて重い砂や砕石を除去します。
これにより、下水処理施設の効率と耐久性が向上し、処理全体が円滑に進行します。
この予備処理工程は、下水処理全体の基盤となる重要なステップです。
1. 一次処理(物理的処理)
目的:大きな固形物や浮遊物を取り除く。
方法:下水をまず大きなスクリーンや網で濾過し、大きなごみ(紙くず、プラスチック片など)を取り除きます。
その後、沈殿池で重い固形物(砂や泥など)が沈殿し、上澄みの水を次の段階に送ります。
2. 二次処理(生物学的処理)
目的:有機物を分解し、水質を改善する。
方法:微生物(細菌など)を利用して、下水中の有機物(例えば、油脂や尿素など)を分解します。
一般的には活性汚泥法が使用されます。この段階で、下水の臭いや汚れの元となる物質が大幅に減少します。
3. 三次処理(化学的処理)
目的:水質をさらに高め、残った汚染物質を除去する。
方法:化学薬品(例えば、塩素やオゾン)を使用して、さらに残った有害物質や微生物を殺菌・分解します。
この段階で、放流される水が環境基準を満たすように調整されます。
4. 汚泥処理
下水処理の過程で生じた汚泥は、乾燥、脱水、焼却、または堆肥化などの方法で処理され、
最終的に埋め立てや資源利用(例えば、バイオガス発生)されることがあります。
5. 放流または再利用
処理された水は、通常は河川や海に放流されますが、地域によっては再利用(農業用水や工業用水など)されることもあります。
このように、本下水処理は複数の段階を経て行われ、環境保護や水質保全に重要な役割を果たしています。
浄化した下水はどうなるのか
汚水が下水道管を通って最終的に辿り着く場所が下水処理場。沈砂池、最初沈澱池、反応タンク、最終沈澱池、 消毒設備を通ってキレイになった水は、
水蒸気になって雲になり、雨になり、川や海に戻され、いつしかまた私たちのところに戻ってきます。
下水道の特徴と役割
下水道の役割は大きく分けて以下の3つ挙げられます。
街を清潔にする
下水道が整備されてから汚水が河川などに流れることがなくなり、街を清潔にしてくれるようになりました。
悪臭や害虫などの発生を防ぐことになり、直接街に流れることがなくなります。
浸水を守る
近年では大雨が降る「ゲリラ豪雨」だけでなく、1時間50mmを超える集中豪雨の年間発生数がここ数年増えてきています。
下水道は汚水だけでなく、市街の雨を処理してくれるため、街への浸水を守ってくれる役割があります。
エネルギー・資源を創る
下水道は下水処理施設で汚水をきれいにし、再生水としても利用することができます。
さらに下水処理によって生まれるバイオガスや自動車燃料などとしても利用されるため再生エネルギーとして資源を創る役割も持ち合わせています。
下水道は自宅の汚水を処理するだけでなく、街全体を浸水から守ったり、エネルギーへの変換などの役割を持ち合わせています。
そのため各家庭だけでなく、日本全体に必要不可欠な存在であると言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
普段何気なく下水道ですが、様々な工夫がされてキレイにされており、メリットもかなり大きいです。
次回のコラムでは、本下水以外での処理方法について解説していきます。
これからも皆様のお役に立てるような情報を発信していきますので是非ご覧ください!