不動産コラム

背景
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浄化槽 個別浄化槽・集中浄化槽とは

本コラムをご覧いただき有難うございます!

本日は「個別浄化槽・集中浄化槽」についてご説明させて頂きます!

前回までは下水道についてのご説明をさせて頂きました!

全国の下水道普及率は令和4年時点で81.0%となっております。

東京都は全国で最も下水道の普及率が高く99.6%となっているのですがそれでも100%ではないというのが実情です。

下水道の設備ができていないエリアで利用されている下水の処理システムが「浄化槽」です。

本日は浄化槽についての基本情報を確認しながらご説明させて頂きます!

浄化槽とは?

浄化槽は、家庭などから排出される生活排水(トイレ、台所、浴室などの排水)を、微生物の働きなどを利用して浄化し、環境に悪影響を与えないようにするための設備です。下水道が整備されていない地域でよく使用されます。

浄化槽の目的は、主に水道が整備されていない地域において、生活排水に含まれる有機物や窒素、リンなどの汚染物質を分解・除去して、河川や湖沼などの水資源を守るために使用されています。

また、 設置が比較的簡単で、個別の家庭で対応することができます!

浄化槽の仕組み

浄化槽は下水道のように一元して下水等を処理するのではなく、各家庭や地域で処理を行い、処理された水を排水する仕組みです。

浄化槽は、大きく分けて以下のようなプロセスで排水を処理しています。

• 汚水に含まれている固形物や浮遊物を沈殿させ、液体と固体に分離します。

•  浄化槽内の微生物が汚水の内容物を分解します。

• 分解された汚泥を沈殿させ、きれいになった水を消毒してから排出します。

ざっくりとご説明させて頂きましたが、実は下水道における最終処理場の処理とほとんど同じなのです!

つまり、浄化槽は各家庭や地域における小さな下水道設備の役割を担っています。

浄化槽の種類

これまで大きく分類した「浄化槽」についてご説明させて頂きましたが、「浄化槽」の中でも排水の処理方法や目的が異なります。

この先では大きく分けて「個別浄化槽」「集中浄化槽」についてご説明させて頂きます。

1.個別浄化槽

まずは個別浄化槽になります。

実は個別浄化槽の中でもさらに「単独浄化槽」や「合併浄化槽」のように複雑な分類が存在しますが、詳細は次回のコラムでご説明させて頂きます!

個別浄化槽は一般的に各家庭に1つずつ設置される浄化槽になります。

そのため、庭先や駐車場などの使用する家庭の敷地内に設備を設置します。

個別浄化槽のメリット

・導入、設置までのコストや難易度が低い

・それぞれの家庭に応じた最適な規模での設置が可能

個別浄化槽のデメリット

・各家庭での管理が必要になる(維持管理費用がかかる)

・管理が不十分だと悪臭や水質汚濁の原因となる

2.集中浄化槽

次に集中浄化槽になります。

集中浄化槽は個別浄化槽と違い、複数の建物や施設(地域全体や団地など)の汚水をまとめて処理しています。

地域全体や団地で利用するため、専用の広い敷地や設備が必要となります。

集中浄化槽のメリット

・一括で管理を行うため効率的な運用が可能となります。

・設備の規模が個別浄化槽と比較し大きいため、より高度で的確な処理ができる場合がおおいです。

集中浄化槽のデメリット

・一括で管理を行い、地域全体や団地で利用するため初期の設置に費用がかかります。

・地域全体や団地などの範囲が広く、多くの住人が利用するため自治会などで管理するケースがほとんどですが、中には管理責任が明確でない場合もあり、運用に支障が出る可能性があります。

まとめ

浄化槽は下水道の埋設が行われていない地域において環境を保全するために重要な下水処理設備です!

そのため、各市町村でも浄化槽設置に関して助成システムを設置しているケースも多くあります。

下水と違い各家庭や下水と比べて狭い地域内での下水処理システムになるため、管理に関しては浄化槽法によってしっかりと定められています

(浄化槽管理者の義務)
第十条 浄化槽管理者は、環境省令で定めるところにより、毎年一回(環境省令で定める場合にあつては、環境省令で定める回数)、浄化槽の保守点検及び浄化槽の清掃をしなければならない。

浄化槽法 抜粋

管理などについて厳しく定められている浄化槽ですが、下水道の施設が未整備の地域に家を建築したいという方は以下のポイントを押さえて選択してみてください。

・小規模なエリア、個人家庭の場合は個別浄化槽

・大規模な住宅地や施設で集中浄化槽が設置されており、しっかりと管理が行われている場合は集中浄化槽

それぞれの処理方法にメリット・デメリットがあり一概にどちらがいいという事はできませんが、参考にしてみてください!

 

また、浄化槽で処理しているエリアは立地として人口のあまり多いエリアではないという特徴があり、公共の下水道が整備されているエリアと比較すると人気に欠けるという場合もあります。

弊社にご相談頂く不動産のなかでも、浄化槽のエリアや浄化槽が使用される以前に使われていた汲取り式(ボットン便所)の場合も多くあります。

そのような不動産でも適切な価格付けと販売活動で売却が可能です!

お困りの方は是非ご相談ください!