不動産コラム

背景
背景

遺産分割のポイント

遺産分割(いさんぶんかつ)とは、被相続人が遺言を残さずに死亡した場合に、一旦は相続人全員の共有財産となったものを、

各相続人へ話し合いによって具体的に分配していくことを言います。

相続税の申告期限は別にして、遺産分割の時期については決まった期限はありません。

遺産は共有状態のまま相続することも可能ですが、相続したものが土地や不動産の場合など、

具体的に分ける方法が曖昧なもののケースですと、のちのち相続財産をめぐってトラブルになる可能性もあります。

本コラムでは遺遺産分割の流れ、必要なもの、ポイントを見やすくまとめました。

以下のようなステップを踏んで進めていきます。

 

1. 遺産分割の準備

必要なもの

  • 故人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 遺言書(あれば)
  • 財産目録(銀行口座、不動産、株式など)

ポイント

  • 相続人の確認: 戸籍謄本を取り寄せて、法定相続人を特定します。
  • 遺言書の有無: もし遺言書があれば、それに従って分割します。ない場合は法定相続分に基づいて進めます。

 

2. 遺産の評価と整理

必要なもの

  • 不動産の登記事項証明書
  • 銀行口座の明細
  • 株式や投資信託の明細書
  • 生命保険契約書(あれば)

ポイント

  • 遺産の種類と評価: 財産を現金、不動産、株式などに分け、評価額を算出します。これに基づいて分割案を考えます。
  • 債務の確認: 借金などの負債がある場合、遺産から差し引いて相続分を決定します。

3. 遺産分割方法の決定

分割方法

  • 現物分割: 物をそのまま分ける方法。例えば、不動産を相続人ごとに分ける。
  • 代償分割: 物を一人が引き継ぎ、他の相続人に金銭で補填する方法。
  • 換価分割: 不動産や財産を売却して、その現金を分割する方法。

ポイント

  • 公平を目指す: 相続人間での公平感を大事にしましょう。全員が納得する形で分割を進めることが重要です。
  • 税金の影響: 不動産などを現物分割する際、税金の面でも注意が必要です。

4. 相続税の確認と納付

必要なもの

  • 財産評価額
  • 相続税申告書
  • 納税資金

ポイント

  • 相続税の計算: 遺産が基礎控除額を超える場合、相続税の申告が必要です。税理士に相談することをおすすめします。
  • 納税方法の確認: 相続税は現金で納税する方法のほか、財産で納税する方法(物納)もあります。

 

5. 遺産分割協議書の作成

必要なもの

  • 相続人全員の署名・押印
  • 財産分割に関する合意内容

ポイント

  • 合意の確認: 相続人全員の合意を得て、遺産分割協議書を作成します。これをもって、正式な分割が完了します。
  • 協議書の提出: 不動産の名義変更などには、遺産分割協議書が必要です。

6. 登記・名義変更手続き

必要なもの

  • 遺産分割協議書
  • 各種手続きに必要な書類(登記申請書、相続人全員の同意書など)

ポイント

  • 不動産の名義変更: 遺産分割協議書をもとに、不動産の登記を変更します。
  • 銀行口座の名義変更: 銀行口座や証券口座の名義変更を行います。

7. 相続税の申告(必要な場合)

必要なもの

  • 相続財産の評価額
  • 相続税申告書

ポイント

  • 申告期限: 相続税の申告は、相続開始を知った日から10ヶ月以内に行う必要があります。
  • 専門家への相談: 相続税がかかる場合、税理士に相談することで、申告漏れや誤りを防げます。

 

まとめ

遺産分割は、以下の流れで進めることが一般的です。

  1. 相続人の確認
  2. 遺産の評価・整理
  3. 分割方法の決定
  4. 相続税の確認
  5. 遺産分割協議書の作成
  6. 登記・名義変更手続き
  7. 相続税の申告

その過程で、必要な書類や専門家のサポートを活用し、慎重に進めることがトラブル防止につながります。