不動産コラム

背景
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①借地権について

本コラムをご覧いただき有難うございます!

株式会社クレザックの新です!

本日の題材は「借地権について」でございます!!!

皆さまは借地権と聞いてどういうものか想像がつきますでしょうか??

「人から借りてる土地のこと?」などざっくり想像はつくかもしれませんね。。。

簡単に申し上げると、借地権とは
「第三者から土地を借り、使用料を支払い、借りている土地上に建物を建てる権利」です。

不動産といえば、自らが所有する土地の上に建物を建てるということが一般的ではありますが、借地権のような例外もあります。

今回は「借地権について」次回に「借地権を売買する際の注意点」という2回に分けて皆様にお届けしたいと思います!

 

1.借地権とは?

先ほど、借地権とは「第三者から土地を借り、使用料を支払い、借りている土地上に建物を建てる権利」とお伝えしました。

不動産の用語として、
土地を借りる人→借地権者
土地を貸す人→底地人、借地権設定者、地主
などと呼ばれております。

借地権には大きく分けて2つの分類があり、

「借地借家法に基づく借地権」と「民法上の借地権」とに分類されます。

何が違うの??と思われるかもしれませんが、違いはごくシンプルです!!

この2つの違いは「建物所有を目的とするか、しないか」です!!

「借地借家法に基づく借地権」→建物所有が目的の借地権
「民法上の借地権」→建物所有を目的としない借地権 例:月極駐車場、資材置き場…etc

となります!

ややこしくなりますが「借地借家法に基づく借地権」には様々な種類があり「地上権」、「借地法(旧法)」、「借地借家法(新法)」などが主な種類となります!
これらの借地権については本コラムの3.借地権の種類で詳細をご説明させて頂きます!!

今回のコラムでは、売買に大きな影響を与える「借地借家法に基づく借地権」についてのみ説明をさせて頂きます!

 

2.借地権の歴史

基本的に建物はご自身の所有している土地に建てることが一般的ですよね!!

では、そもそもなぜ借地権という権利が生まれたのでしょうか??

時はさかのぼり江戸時代。

一部の豪商や大名、旗本は幕府の許しを得て、自らの土地の上に武家屋敷を構えていました。

ですが、城下に住む庶民は下町の長屋(現代で言う賃貸物件)に住んでいました。

少し進んで明治時代。

西洋から民法が導入され、今まで明確になっていなかった土地の所有権、そして財政の安定のため政府による土地所有者への納税の義務が始まりました。

その当時の税額は地価の3%という高額であったため、もちろん一部のお金持ちしか土地の所有をすることはできませんでした。

そうなると土地を買うことは出来ず、借地に家を建てることが一般化しました。

このころの借地権は現代と異なり法整備が追いついておらず、「土地(底地)の所有者が変わった場合、借地人は建物を取り壊さなければならない」などといった現代で考えるとめちゃくちゃな状態でした。

見かねた政府が明治42年に「建物保護に関する法律」を制定し、建物登記によって地主に対抗できるようになりました。

そこから大正時代。

「借地法」・「借家法」が制定され、より借地人の権利が守られるようになりました。

更に現代に近づき昭和時代。

バブルがはじけ土地の価格が上がり続けると言われた「土地神話」は崩れることとなりました。
多くの人が土地を保有していた時代で、その土地を休閑地とするのではなく利用してほしいという政府の考えから平成3年に前述した「建物保護に関する法律」・「借地法」・「借家法」を統合した「借地借家法」が誕生しました。

これがざっくりとした借地権の歴史です。

もっと複雑な要素が絡み合っておりますが、大変長くなるためご容赦ください!

 

3.借地権の種類

先ほど借地権には様々な種類があるとお伝えさせて頂きました!

この章では、借地権の種類をそれぞれ見ていきましょう。

①地上権

地上権とは、第三者が所有している土地を、建物所有をする目的で使用する権利のことです。借地権が地上権である場合には、借地人(借主)は借地権を地主(貸主)の許可なく他者に譲渡・転貸することができます。

地上権は第三者に対しても自由に借地権を譲渡・転貸できる大変強い権利です。地主にとっては不利であるため、地上権が設定された借地は多くありません。

②借地法(旧法)

土地を借りる契約が1992年7月31日以前に成立している場合は借地法(旧法)に基づきます。借地法においては建物が建っている間、地主は正当な理由がなければ借地人(借主)からの更新の希望を拒否することができません。借地権の存続期間は建物の構造種別により決まっていますが、借地に建物が建っている限り、契約が自動更新され、長期に渡り土地を借り続けることが可能です。

借地法の特徴は借地権者の権利が強い部分です!

一度貸してしまうと、正当な理由がないと土地を取り返せないのです…

そうなると当然地主は土地を貸したくありませんよね?

この問題を解消するためにできたものが次の借地借家法です!

③借地借家法(新法)

先ほどの借地法(旧法)で一度貸した土地が返ってこないという問題点を踏まえ制定されたのが借地借家法(新法)です!

新法では旧法で守られていなかった地主(貸主)の権利を保護するため契約期間が定められました。

借地法(旧法)との大きな違いは、更新が認められない定期借地権が新たに制定されたことです。この定期借地権は期間満了後に原則として、更地で地主(貸主)に返還しなければなりません。また、更新が認められる普通借地権も非堅固建物・堅固建物の区別が無くなり当初の契約期間は30年と定められ、更新期間についても最初の1回目の更新は20年、以降の更新は10年と更新期間に変更となりました。

先ほど説明した、借地法(旧法)も今更新したら借地借家法(新法)に変わると思われる方がいらっしゃるかもしれません!

ただし、この借地借家法(新法)が制定される前に契約した物件は借地法(旧法)が引き続き適用されます…

上の表のように新法ではより細かく借地権が分類されました。

普通借地権・・・期間は決まっていますが、建物がある限りは更新されます。更新時期は1回目が20年以上、2回目以降は10年以上となります。旧法とは違い建物の構造による違いが撤廃されました。また、存続期間満了時に借地契約を更新しない場合、更地にして返還が原則です!ただし、借地権者(借主)は、地主(貸主)に建物の買い取りを請求する「建物買取請求権」があります。建物買取請求権は、請求された時点で売買契約が成立したとみなされるため、地主は買取に応じなくてはなりません。ただし金額は時価によります。

定期借地権

一般定期借地権・・・借地期間を50年以上としています。期間の満了に伴い、原則として借地権者(借主)は建物を取り壊して土地を返還する必要があります

事業用定期借地権・・・借地期間を10年以上50年未満とし、事業用に建物を建てて利用するための定期借地権で、住宅には使えません

建物譲渡特約付借地権・・・契約後30年以上地主が建物を買い取ることを約束する借地権です。買い取った時点で借地権がなくなります。

一時利用目的の借地権・・・土地を借りることが明らかに一時利用を行う建物を建てる目的であるとわかる場合に適用される借地権です。建築現場の仮設事務所や仮設店舗などが該当します。普通借地権定期借地権などに定められている存続期間や建物買取請求などの規定は適用されません

 

4.まとめ

今回のコラムでは借地権について皆様にご説明させて頂きました!

いかがでしたでしょうか??

かなり様々な種類がある借地権ですが、その内容の複雑さからやはり売買にも大きな影響を及ぼします…

次回のコラムでは「借地権を売買する際の注意点」をご説明させて頂きます!!

是非次週もご覧いただけましたら幸いです!