競売について
ご覧いただき有難うございます。
今回は「競売」について解説させて頂きます!
前回のコラム「任意売却について」の内容と比較してご説明する部分もありますので、ご覧頂いてない方は是非合わせてご確認いただけましたら幸いです。
では早速「競売」について解説していきます!
競売とは
競売とは債権者が裁判所を通じて、不動産を強制的にオークションにかけ、一番高額を提示した者に対し売却を行い、その売却代金によって債務の弁済を受けるという制度のことです。
競売にも種類がありますのでそちらも併せてごさせて頂きます。
1.強制競売
税の滞納や裁判での支払い命令に従わない場合に裁判所によって不動産競売が行われるケースです。住宅ローン等の担保として設定されておらずとも、支払命令に従わない場合は、債務者の不動産が差し押さえられ、競売にかけられることがあります。
2.担保不動産競売
住宅ローンや事業ローン等の担保として設定された不動産が、支払の滞納や債務不履行によって競売にかけられるケースです。強制競売と異なる点は、あらかじめ不動産が担保として設定されている点です。
3.形式的競売
法律上の手続きを行うために行われる競売です。遺産分割等に伴って不動産を売却して現金化し、円滑に鉄出来を進めるため実施されます。他の競売とは異なり、債務の精算を目的としていない点が特徴です。
滞納から競売にかかるまでの流れ
競売は主に住宅ローンや事業ローン等の滞納が理由で実施されます。

滞納から競売にかけられるまでの具体的な流れは以下の通りです。
1.督促状が届く(滞納から6ヶ月程度)
住宅ローンの返済が滞ると、金融機関や保証会社から督促状が届きます。
2.期限の利益喪失(滞納から6ヶ月~)
期限の利益喪失とは分割払いができる権利を失い一括返済しなければならない状況を指します。
つまり、ローンの残債を一括で支払いしなければなりません。
この期限の利益を喪失した状態になると、住宅ローンが解約され、保証会社が債務者の代わりに金融機関等へ弁済を行います。
そのため、債権者は金融機関等から保証会社に変わります。
3.差押え通知が届く(滞納から8ヶ月~)
差押え通知は、裁判所が競売にかけるために住宅を差押えしたことを知らせる書類です。
この書類は、債権者ではなく裁判所から届く書類になります。
この時点で債務者の所有権はなくなります。そのため自由に売却することはできません。
4.競売開始決定通知書が届く(差押え通知から1ヶ月~)
裁判所から競売に欠けられたことを知らせる、競売開始決定通知書が送られてきます。
5.現況調査(差押え通知から2ヶ月~)
差し押さえた物件の現況調査を執行官が行います。
法に基づいた強制のものであり、拒否権はありません。
不動産鑑定士による査定なども踏まえたうえで住宅の価格が決定されます。
6.情報が公開される(滞納から13ヶ月~)
不動産競売物件情報サイトに競売物件として情報が公開されます。
誰でも閲覧が可能ですので、周囲に知られる可能性があります。
7.入札・開札(滞納から14ヶ月~)
裁判所が設定した基準価格を超え、最も高額で入札した者に売却が決まります。
開札とは入札期間が終わった後に、執行官が入札者の金額と名前を読み上げることです。
その後は入札者が代金を支払って、所有権が移動します。
8.立ち退き(落札者が支払を終えた時点から2ヶ月)
落札から明け渡しまで最長で2ヶ月ほどの猶予があります。
裁判所が明け渡しの判断を下すまでに、ある程度の時間がかかるためです。
ただし、すでに所有権は無いため、落札者が引渡し命令申立てをすることによって、強制執行の可能性もあります。
強制執行がかかれば引越しの準備など関係なく、家財等が運び出される可能性があります。
競売のメリット・デメリット(売却時)
メリット
大前提として競売は、強制的に売却をされるものなのでメリットといえるものはありません。
しいてお伝えするのであれば以下の点が挙げられます。
・売却の手間が省ける
→売却の手続きはすべて裁判所や債権者が行いますので、ほとんど何もする必要がありません。普通に家で生活していたら、勝手に家が売却され、その代金からローンが支払われます。
デメリット
・売却価格が安くなる
→競売は相場価格と比較して6~7割程度の価格でしか売れないケースがほとんどです。さらに競売費用も差し引かれます。前回のコラムで開設した、任意売却で少しでも高く売却するほうが、多くのローン返済ができ、残る借金を減らせる可能性が高いです。
・強制的に追い出される
→競売になると、一番高い金額を提示した方が不動産の新しい所有者となります。落札後、不動産の所有権は移転されるため、家に住み続けることはできません。早急に出ていく必要がありますし、出ていかなければ「強制執行」で無理矢理退去させられてしまう恐れもあります。任意売却であれば、売却代金の中から引越費用を出して頂けるケースも多いのですが、競売の場合、自腹で何とか引越しするしかありません。
・インターネット等で公表されるため近所の方に知られるるリスクも
→競売にかけられると物件情報が裁判所、インターネット等で公表されます。そのため、関心を持つ方が周辺を見たり、近隣の方に状況を聞かれる可能性があります。このことによって近所で噂が立ち、プライバシーが害されるケースも多いです。任意売却であれば一般的な「仲介」と同じ方法での売却になりますので、このような問題が発生することはほとんどありえません。
競売にかけられることによって得られるメリットはデメリットと比較して全く無いことがお分かりいただけたでしょうか。
まず住宅ローンの返済が難しいのであれば、任意売却で少しでも多く残債を減らしておくことが新たな生活を送るためにも重要なことです。
ただし、物件を購入したいという方にとっては競売に入札することはメリットがあります。
競売で不動産を購入されたいという方は以下もご覧ください。
競売のメリット・デメリット(購入時)
メリット
・市場価格より安く買える可能性がある
→競売物件最大の魅力は、市場相場よりも低い価格で購入できる可能性があることです。一般的には市場相場の6~7割程度の価格で落札できるケースが多いため、「予算を抑える」「広い家に住みたいが、予算に余裕がない」といったお客様には、物件を取得できるチャンスとなりえます。
・仲介手数料がいらない
→裁判所を通じた直接購入となるため、仲介手数料は必要ありません。仲介手数料分の費用負担を軽減することができます。
・登記費用を考える必要がない
→競売物件の所有権移転登記は、裁判所の職権によって行われます。ですので、通常の売買のような司法書士へ依頼した登記費用負担の必要がないため諸費用を軽減することができます。
デメリット
・内見ができない
→競売物件は基本的に内見できません。事前に物件の状況を確認することは難しく、状態の把握のために、「物件明細書・現況調査報告書・評価書」を確認することが重要となります。これらの書類に記載された情報は、執行官や不動産鑑定士が調査した時点のものであり、実際に引き渡しを受けるときに内容と現況が異なるケースもあります。
・基本的にローンを組むことができない
→競売物件は一括払いが原則です。落札できた場合、裁判所が定めた期限内に全額を支払う必要があり、分割払いはできません。落札した物件に居住する場合は住宅ローンが利用できる可能性がありますが、審査が通らない可能性もあります。
・欠陥があっても責任を追及できない
→普通の売買物件は事前に建物の内見ができたり、売主の契約不適合責任(欠陥や不具合があった場合の責任)を追及できますが、競売物件の場合はできません。内見ができないため、内部の欠陥を発見することが極めて難しいです。さらに、例えば雨漏りやシロアリで建物が腐食していたり、給排水設備が水漏れしていたりといった欠陥が見つかったとしても、売買契約の取り消しや損害賠償の請求がでないのです。
・立ち退き交渉を自分で行う
→基本的には代金を支払うと同時に物件と鍵の引き渡しが行われます。ただし競売物件では、名義の書き換えのみとなるため、占有者や前所有者が居座った場合には購入後に立ち退き交渉をする必要があります。建物明け渡しの強制執行を行うためには、債務名義上の債務者(執行文に記載された債務者)と目的建物の占有者が一致しなければならないため、占有者が居座った場合には強制執行は難しくなります。
競売を回避するためには
前章で確認いただいた通り競売にはメリットの存在がほとんど無いため、回避したい事象です。
裁判所からの差し押さえ通知が届いてしまうと、自由に不動産を売却することができなくなるため、「任意売却」で売却することで競売を回避することができます。
任意売却のメリットは以下です。
1.市場価格に近い価格で売れる
2.債務者のプライバシーが守られる
3.引越し・引渡し時期の調整ができる
4.引越し費用などの支援を受けられる場合がある
5.任意売却後の債務整理がしやすい
前回のコラムで任意売却について、より詳細な解説をしておりますので、より深く知りたいという方は是非ご確認ください。
競売と違い、通常の仲介と同じように物件を紹介し、買い手を募ることができます。
任意売却が可能な時期は一般的には入札の前日までという金融機関等が多いですが、場合によっては早いところもあるかもしれません。
とにかく競売にかかるまでの間に買い手を探す必要があるため、より早期に売却活動を開始することが競売回避のポイントです。
まとめ
2回に分けて、「任意売却」「競売」について解説をさせて頂きました。
「競売」は裁判所によって行われる強制的な売却です。
「任意売却」は債務者の意思に沿って売却手続を進めたうえで、債権者の合意を得て売却する方法です。
2回のコラムで任意売却は競売よりもメリットが多く、デメリットも少ない方法ということはご理解頂けましたでしょうか。
前回ご説明させて頂いた任意売却のメリットは以下です。
1.市場価格に近い価格で売れる
2.債務者のプライバシーが守られる
3.引越し・引渡し時期の調整ができる
4.引越し費用などの支援を受けられる場合がある
5.任意売却後の債務整理がしやすい
このようにすべて競売では得ることの出来ないメリットです。
そのため、住宅ローンの返済や事業用ローンの返済に困った場合は任意売却の手続きが王道だといえます。
ただし、競売に移行するまでの手続き期間も有限ですので、選択に迷っている余裕はあまりありません。
任意売却の方法で手続きを考えていらっしゃるのであれば、素早い決断がより良い売却を成功させるカギとなります。
競売にせよ任意売却にせよ、皆様と縁遠いものであることを祈っております。
コロナのような社会情勢による生活の変化や、利上げによる住宅ローンの負担増加など、避けられない事象で泣く泣く手放すという方も増えていることも事実です。
住宅ローンや税金の支払いに困っているというお客様はお一人では決して悩まず、是非お気軽にご相談ください。
